細菌やウイルスなどの感染症と戦う“免疫”に生まれ つきの異常があり、感染症を繰り返し、重症化してし まう病気です。代表的な病気としてTリンパ球がない 重症複合免疫不全症(SCID)と、Bリンパ球がないB 細胞欠損症があります。乳児期早期から感染症を繰 り返し、肺炎、中耳炎、敗血症などを引き起こします。さらに令和5年度より核酸代謝の減損によりSCIDを引き起こすアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症を追加します。
脊髄の神経細胞に生まれつきの異常があることで筋肉が萎縮して進行性の筋力低下が起こり体幹や手足の筋力低下が進行します。出生直後から筋力低下を起こす重症型、1歳半くらいまでに発症する中間型、1歳半以降にゆっくり発症する軽症型に分けられます。
副腎や脳、脊髄に異常をおこす病気です。X連鎖の遺伝病で男性患者で重症になります。発症時期や症状は様々ですが、大脳に異常をきたすタイプでは幼児期から成人まで幅広い年齢で発症し、進行すると麻痺が進み、数年で寝たきりになります。発症時期の予測が難しい難病です。この検査では男性のみを対象にします。
細胞の中にある「ライソゾーム」は細胞の代謝をコントロールしている器官で不要な代謝物の分解を行なっています。この中にある「酵素」の中の一つがうまく働かないと脂質や糖質が細胞内にたまり様々な症状が出ます。ライソゾーム病は約60種類知られていますが、この検査ではポンペ病、ファブリー病、ムコ多糖症I型・II型に令和5年度よりゴーシェ病を加えたの5種類を調べます。生後できるだけ早い時期に病気を見つけて、治療を開始できると症状の進行を抑えることが期待できます。
発症時期により乳児で発症し症状が思い乳児型や、10歳移行に発症し症状が軽い遅発型が知られています。
男性は主に小児期から発症しますが、女性ではこの検査が正常でも思春期〜成人期に発症することがあります。
成人には
生まれてしばらくしてから徐々に症状が現れ、1〜3歳から骨関節の変形や拘縮が目立ってきます。
新生児・乳児期に発症するタイプでは、肝臓、脾臓、骨髄に組織障害をおこします。神経症状が出るタイプでは精神運動発達遅滞、けいれんなどを起こします。
© 2021 Tokai Massscreening Promotion Association. All Rights Reserved.