生後早い時期に採血を行うことで診断でき、治療できる疾患があります。このような疾患は新生児のうちに早期発見しておくと、早期治療により知能の遅れなどを防止できたり、重い症状が出ないように注意して日常生活を送ることができます。このような取り組みが「新生児マススクリーニング」 (先天性代謝異常症等検査) で、世界各国で行われています。日本では1977 年に、5つの疾患を対象として始まりました。
新生児マス・スクリーニングで発見される病気は、ホルモンに異常のある病気と、代謝に何らかの問題がある病気とに大きく分けられます。このうち後者を総称して「先天代謝異常症」とよびます。「マス」とは「集団」、「スクリーニング」は「検査」という意味です。「新生児マススクリーニング」は日本に生まれてきた赤ちゃん全員が受ける事が出来る検査です。タンデムマスのマスは質量という意味で、マススクリーニングのマスとは異なります。そのためタンデムマスを用いた新生児マススクリーニングということができます。
他にも先天代謝異常等検査、先天代謝異常症検査等、新生児スクリーニングなど、いろいろな呼称が使われることがあります。
現在以下の疾患が公費でスクリーニングされています。
フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、グルタル酸尿症1型、イソ吉草酸血症、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸尿症(HMG-CoAリアーゼ欠損症)、マルチプルカルボキシラーゼ欠損症、3-メチルクロトニルグリシン尿症、CPT1欠損症、CPT2欠損症、VLCAD欠損症、MCAD欠損症、TFP(MTP)欠損症、ガラクトース血症 副腎皮質過形成、先天性甲状腺機能低下症
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